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マジンガーZ 2250万体はどこへ行った?

□マジンガーZ 2250万体はどこへ行った?

 前回までのメルマガで、

 廃棄物 = 一般廃棄物 + 産業廃棄物 で、

 平成14年度の
 一般廃棄物の発生量が、約5,200万トン
 産業廃棄物の発生量が、約3億9,300万トン

 そのため、
 廃棄物全体の発生量は、推計で約5億〜6億トンになるとご説明しました。

 推計のままでは分かりにくくなりますので、
 ここは、平成14年度に発生した日本全体のゴミの量は、
 約4億5,000万トンとしておきましょう。

 そうすると、
 マジンガーZ一体の重さは、20トンだそうですので、
 毎年マジンガーZの2,250万体分の重さのゴミが発生していることに
なります。


 マジンガーZの重さが、「たったの20トン」と見るべきか、「20トンも
あるの!」と見るべきかは、それぞれのご想像にお任せします(笑)

 いずれにせよ、日本全体で発生するゴミは、とてつもない量であることは
分かります。


 通常私たちは、毎週2回〜3回、市町村のゴミ収集車にゴミ袋を回収しても
らうだけで、そのゴミがどのように処理されるのかを意識することはありませ
ん。

 ちなみに、平成14年度の調査では、
 一日当たりの、一般廃棄物の平均排出量は、
 一人につき、1,111gでした。

 と言うことは・・・
 国民一人分だけで、毎年401.5kgものゴミを出していることになりま
す。
 どうりで、ゴミ屋敷がすぐ出来上がるはずです(笑)。

 と言う訳で、「小さな事からコツコツと!」が積み重なって、
 マジンガーZの2,250万体分の重さのゴミが出来上がります。


 それでは、話を少し戻して、
 マジンガーZがどこに消えて行くかを見てみましょう!

 本当は、「廃棄物=一般廃棄物+産業廃棄物」ですので、
 一般廃棄物と産業廃棄物を分けて説明する必要があります。
 そのため今回は、一般廃棄物に限定して、考えることにします。
 産業廃棄物編は、次回考えることにします。


 さて、ここで問題です。
 回収日に出したゴミ袋は、一体どこに運び込まれるのでしょうか?

 スイマセン。小学生でも答えを知っている質問でした。

 正解は、
 そうですね。市町村のゴミ焼却場です。

 ゴミ全体の約8割は、ここで焼却処分されます!
 国土の狭い日本では、まだまだ焼却処分の割合が非常に高いです。
(余談ですが、世界中の焼却炉の約7割が、日本に集中しています。)


 
 一般廃棄物が処理される様子をフロー図にまとめると、こうなります。


          一般廃棄物 5,161万トン
                |
                |−−−→自家処理 22万トン
                |
      _______|__________         
      ↓         ↓             ↓
   直接埋立する分  中間処理(焼却・破砕) 資源化される分
             される分
    223万トン   4,689万トン       233万トン
    (4.3%)   (91.1%)        (4.5%)
      |         |
      |         |
      |         ↓
      |     中間処理後に残るもの
      |      1,031万トン     
      |      (20.0%)
      |         |
      |         |
      |         |−−−→再生利用される分
      |         |      350万トン
      |         |      (6.8%)
      |         ↓
      |       埋め立てる分
      |        680万トン
      |      (13.2%)
      |         |
      |______|
           |
           |
           ↓
      埋め立てられる分の合計
        903万トン
       (17.6%)

 マジンガーZだと、量のイメージがしにくいと思いますので、
 藤井寺球場じゃなかった、東京ドームで換算すると、

 ゴミが発生した時点では、東京ドーム139杯分だったのが、
 ゴミを燃やしたり、砕いたりした結果、
 最終的に土の中へ埋め立てられる量は、
 東京ドーム24杯分まで減りました。

 減ったとは言っても、東京ドームの24杯分!
 最低限、これだけの量を埋め立てられる土地を、毎年確保し続けなければ
なりません。

 ゴミを埋め立てる場所のことを、「最終処分場」と呼ぶのですが、
 皆さんがよくご存知のように、今、その最終処分場を作ることが、大変困難
になってきています。

 誰だって、自分の家の近所に、ゴミ処理場や埋立場所が出来るのは嫌です
からね。

 ただ、日本全体の問題として、この最終処分場の問題を眺めてみると、
 なかなか重大な課題になりつつあります。

 我々が出し続けている一般廃棄物
 それを受け入れる最終処分場の残余年数は、
 あと13.1年しかないからです。

 この数字は、日本全体での平均ですので、
 地域によっては数年で満杯、または今年で閉鎖という、処分場もたくさん
あります。

 ゴミは毎年出続けるのに、それを埋める場所は限られている・・・・

 人間の体に置き換えて考えると、問題の深刻さがよく分かります。
 どんぶり飯を毎日6杯食べているのに、
 トイレに行くことを一切禁止されたら・・・・
 どんな状況になるか、簡単に想像ができると思います。

 そこで、政府も必死になって、リサイクルの推進やゴミの減量を呼びかけて
います

 あと、13.1年・・・・
 これは一般廃棄物だけの話でした。

 産業廃棄物の場合はどうかと言うと・・・・

 事態はもっと深刻な状況にあります。
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 次号では、
 「産廃クライシス」と題して、
 産廃をめぐる大きな流れについて、見て行きましょう。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

「よく分かる!!廃棄物問題」
元産廃Gメンの行政書士による、廃棄物問題の解説。廃棄物処理法の問題点、ゴミ処理技術、信頼できる処理業者の見つけ方、すぐに効果が出るゴミの削減方法、住民運動の留意点、産業廃棄物処理業者の経営改善手法、法改正情報など、ホットなニュースをお知らせしていきます。
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