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不法投棄はなぜ無くならない?

□不法投棄はなぜ無くならない?

 前回までのメルマガで、
 一般廃棄物の最終処分場の残余年数は、13.1年
 産業廃棄物の場合は、4.5年しかない とご説明しました。


 今日は、そのことで現在起こっている問題について、お話します。


 一般廃棄物の場合、通常は市町村が処理してくれますので、
 ゴミ袋何百杯分の一般廃棄物が、一気に不法投棄されることは稀です。
 タバコや包装紙をポイ捨てする人は多いですけどね(笑)。


 そのため、「不法投棄」という時に問題になるのは、
 大部分が産業廃棄物です。


 なぜなら、産業廃棄物の場合は、一般廃棄物と違って、
 市町村のように、最終的に安価で処理してくれる責任者がいないからです。


 例えが悪いかもしれませんが、
 ゴミの発生から、それを埋め立てるまでの間、
 それに関わる関係者全てで、「ババ抜き」をしているようなものです。


 みんな、自分の目の前から、ゴミが消えることによって、
 初めて安心を得ることができます。


 最終処分場は、高額な処理費を徴収して、
 そのババを引き受けているのです。


 しかし、最終処分場でさえ、
 ゴミを埋め立てて、目の前から姿を無くしてしまわないと、
 最終的な安心を得られません。


 ※細かい話になりますが、
  最終処分場の場合は、埋めた後の管理も必要ですので、
  完全に閉鎖するまで、心配はまだまだ続きます。


 産業廃棄物の不法投棄が起こるメカニズムは、まさにここにあります。

 取りあえず目先の現金が欲しいため、安価で処理を引き受ける

            ↓

 その安価な処理費では、適正な許可業者に持ち込めない

            ↓

    しかし、産業廃棄物は消えて無くならない

            ↓

       え〜い 邪魔だ 消えてしまえ

            ↓

       夜中に山中に不法投棄

            ↓

 よ〜し ゴミが消えたので、また受け入れられるぞ!

            ↓

       また安価で受けてしまう
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            |
            |
            |
            ↓
 以下同じ流れを常習的に繰り返し、ダークサイドに落ちる


 大量に不法投棄するような場合は、ほとんどがこのパターンです。


 まさに、「貧すれば、鈍する」ですね。
 
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 次号では、
 「不法投棄を無くす方法」について、考えてみましょう。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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元産廃Gメンの行政書士による、廃棄物問題の解説。廃棄物処理法の問題点、ゴミ処理技術、信頼できる処理業者の見つけ方、すぐに効果が出るゴミの削減方法、住民運動の留意点、産業廃棄物処理業者の経営改善手法、法改正情報など、ホットなニュースをお知らせしていきます。
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