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捨てられるゴミを無くす方法

□捨てられるゴミを無くす方法


 前回のメルマガで、


 不法投棄を速攻で無くすためには、


 「捨てられるゴミを無くせば良い」とお話しました。


 こう書くと、環境問題に詳しい方なら、
 「ゼロエミッションのことだろ」とピンと来られたと思います。


 「ゴミを無くす方法」を追い求めると、
 究極の理想は、「ゼロエミッション」に行き着きます。


 「ゼロエミッション」とは、日本語で分かり易く言い換えると、
 「ごみゼロ」という意味です。


 ゼロエミッションは、
 理念や目標としては素晴らしいものなんですが、
 現代社会において、それを広く実現させることは困難です。
 我々の生活スタイルを根底から変えなくてはならないからです。


 もっとも、産業界においては、徐々にその取り組みが進んでいます。
 ごみを外部に出さないことが、その会社の利益・信用に即つながる場合が
あるからなんですね。


 その辺りの事情を踏まえた上で、今回は、
 ゼロエミッションの一歩手前の段階の話をしたいと思います。


 前回もご紹介した、環境省発表資料の、
 「産業廃棄物の不法投棄の状況(平成15年度)について」の
 『不法投棄件数』と『不法投棄量』をご覧ください。


  ※「産業廃棄物の不法投棄の状況(平成15年度)について」は、
   こちらからご覧になれます。
   http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=5598


 その資料の中で、建設廃棄物が占める割合を見ていただくと、


 不法投棄件数 全体894件(内、建設廃棄物は621件で69.5%)
 不法投棄量  全体744,978t(内、建設廃棄物は625,445tで84%)
 となっていますので、


 建設廃棄物の割合が突出していることが分かります。


 そのため、不法投棄対策の重点は、建設廃棄物に置くべきなのです。


 もし、この捨てられた建設廃棄物を半減させられるとしたら、
 不法投棄されるゴミの量が、31万tも減少します。


 「建設廃棄物」ってなんだ?、と思われる方がほとんどだと思います。


 「建設廃棄物」とは、建物又は工作物の新築、改築、増築等によって発生
した産業廃棄物のことです。


 具体的には、土地の造成に伴い伐採した樹木(木くず)
       道路工事によって発生したアスファルトくず(がれき類)
       建物の解体で生じた壁、タイルなどの廃材(がれき類)
       屋根瓦(ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず)
       建物の解体で生じた柱などの廃材(木くず)
                           などになります。


 つまり、ほとんどの建設廃棄物は、何らかの建物を壊して発生した廃棄物
なんですね。


 今回は、
 重点的に減らして(無くして)行くべきゴミとは、
 「建設廃棄物」であることが、お分かりいただけたかと思います。

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 次号では、不法投棄の主役?である、
 建設廃棄物を「半減させる方法」について、考えてみましょう。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました!!


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□編集後記


 不法投棄の主役は、「建設廃棄物」と書きましたが、


 不法投棄の裏の主役は、「硫酸ピッチ」です。


 「硫酸ピッチ」とは、軽油の密造過程で発生する副産物で、
 非常に有害なものです。


 2年前までは、軽油の密造で発生する廃棄物は、「硫酸ピッチ」ばかり
だったのですが、


 最近は、法の網の目をかいくぐる、新たな手口が広まりつつあるようです。
   ※(西日本新聞 10月3日)
   http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051003-00000015-nnp-kyu


 ドラム缶を大量に搬出入する怪しい事業者を見かけられたら、
 最寄りの警察署、行政機関にすぐ通報してください。

「よく分かる!!廃棄物問題」
元産廃Gメンの行政書士による、廃棄物問題の解説。廃棄物処理法の問題点、ゴミ処理技術、信頼できる処理業者の見つけ方、すぐに効果が出るゴミの削減方法、住民運動の留意点、産業廃棄物処理業者の経営改善手法、法改正情報など、ホットなニュースをお知らせしていきます。
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