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産廃Gメンのお仕事

□産廃Gメンのお仕事


 前回までのメルマガでは、廃棄物に関する色々な数字を取り上げ、
廃棄物問題の全体的な姿を見てきました。


 今回は、少し趣向を変え、
 廃棄物の不法投棄現場の最前線で働く、産廃Gメンはどんな仕事をしている
のかを書きたいと思います。


 「Gメン」と言いましても、警察官じゃありませんので、TVドラマのよう
に、犯罪者を走って追いかける、なんてことはしません。


 時には、不法行為者と厳しく対峙する場面もありますが、本質的には行政官
です。


 そのため、事件が何もない平常時は、行政官としての仕事をこなします。


 これはこれで、結構忙しいものなんです。


 なにせ、定期的に管内をパトロールしなくてはなりませんし、
 抜き打ちで、工場や産廃業者に立入検査を実施したりもします。

 また、産業廃棄物処理業といって、産廃を扱う場合には許可がいるのです
が、その申請書類の審査や、申請者に対する窓口での応対もあります。


 更に、これも重要な仕事として、苦情対応という仕事もあります。
 苦情対応の場合は、苦情をきっかけにして、平常時から緊急時にシフト
チェンジしなければなりませんので、かなり重要な仕事です。


 どの業種でもそうだと思うのですが、苦情対応という仕事には、本当にスト
レスがかかります。
 私も、産廃Gメンになってすぐの一ヶ月間ほどは、出勤するのが嫌で仕方が
ありませんでした(笑)。


 一口に苦情と言いましても、住民の方からの公害苦情のように、本来の意味
での苦情ばかりではなく、体中から暴力的な雰囲気を発散している、その筋の
方からの苦情又は密告?もあったりします。

 ひどい時には、そんな方と1時間以上顔をつき合わせて、喧々諤々の議論と
いった場面もありました。


 平常時でも、こういった遣り取りを日常的に行います。


 「公務員は気楽」とよく言われますが、そうした気楽さとは無縁の部署があ
るのも事実です。
 産廃Gメンの場合は、ご覧いただいたように、あまり気楽な仕事ではありま
せん。


 そのせいか、役所の中でも、産廃に関する仕事を忌避したがる人が多い
です。
 公務員の場合は、楽な仕事でも、しんどい仕事でも、同じ給料ですからね。


 しかし!
 それでも、誰かがやらねばならない仕事です。


 結局、誰かに割り当てられることになります。


 とは言え、産廃の規制は、
 環境部門の中でも、誰でもできる仕事という訳ではないので、
 消去法で決まることが多い人事の一つです(笑)。


 「この人は気が弱いから無理」
 「あの人は怒りっぽいから駄目」
 「その人は理論的ではないので不可」と

 候補者を一人一人消していくうちに、結局最適な人材が選ばれます。


 私の場合は、適性云々と言うよりも、貧乏くじを引いたという側面が
強かったのですが(笑)。

 私も、今まで色々な担当者を見てきましたが、その人達に共通して言える
ことは、「マメな性格じゃないと、産廃の規制はできない!」ということで
す。


 なぜか?


・「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」という複雑な根拠法を理解するのに
 必要な忍耐力
・日々寄せられる、法律の疑義解釈に答えための、論理的思考能力

 これらの能力を自力で伸ばしていくには、「マメな性格」でないと無理だか
らです。


 そんな「マメな性格」が真価を発揮する場面


 それが、今回書かなかった、不法投棄現場などでの緊急時の対応なのです!

 今回は、産廃Gメンの日常業務について書いてみました。


 次回はいよいよ、産廃Gメンの存在が真価を発揮する瞬間
 ・不法投棄現場の調査手法や、
 ・不法行為者の追い詰め方などについて  ご説明したいと思います。


 今週も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

「よく分かる!!廃棄物問題」
元産廃Gメンの行政書士による、廃棄物問題の解説。廃棄物処理法の問題点、ゴミ処理技術、信頼できる処理業者の見つけ方、すぐに効果が出るゴミの削減方法、住民運動の留意点、産業廃棄物処理業者の経営改善手法、法改正情報など、ホットなニュースをお知らせしていきます。
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