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産廃処理業は儲かるのか?

□産廃処理業は儲かるのか?


 前回のメルマガでは、ある産廃処理会社の社長さんのコメントを紹介しまし
た。


 「これからは、産廃処理業がますます儲からない時代になる」


 このコメントは真実なのか?


 残念ながら真実です。


 しかし、それには、「違法な産廃処理業者がドンドン淘汰されていく」とい
う、明るい側面もあります。


 昨年、環境省が各都道府県に出した通知に、
 ・違法行為をした事業者の実名の公表
 ・処理業の許可の取消など、厳正に対処すること
 ・立入検査などによる監視体制を充実させること  などが挙げられており


 環境省としても、違法な行為に対しては、相当強い姿勢で臨む方針を示して
います。


 過去にこのメルマガの「北風と太陽」で触れたように、厳罰一辺倒では、
物事がうまく進まない可能性があります。
 そのためか、「優良事業者評価制度」という、事業者にとってメリットがあ
るのかないのかよく分からない、中途半端な制度も創設しました(笑)。


 そういった規制の強化に伴い、
 産廃の処理を適当に済ませていた、違法な業者が減っていくので、
 業界全体の構造としては儲かりにくくなっていくだろう・・・


 これが、社長さんが発言の最後に明かした理由です。
 しかし、私は、もう一つの理由があると考えています。


 その理由は、前回のメルマガでお話したCSR経営に結びついてきます。


 冒頭の社長さんはこうも言っていました。
「大手企業の場合は、価格の交渉になることが少ない。逆に、当社の設備を
改善するよう注文してくることもある(笑)」


 今はまだ、日本の大多数の企業文化に、「コンプライアンス」という仕組み
が浸透していませんが、どうやら徐々に浸透し始めているようですね。


 産廃処理業界のように、従来なら価格の勝負だけになりがちだった業界でも、
 価格以外の選別基準が働くようになってきたため、
 企業価値を高める努力をし続けなければならなくなった


 だから今までのように、ただ単に操業するだけで儲かる時代は終わった


 これが、社長さんの真意ではないのかと思います。

 今日は内容が少し抽象的でしたので、ポイントをまとめます

 1.今後の産廃処理業界は、優良な業者とそうでない業者の選別が進む

 2.そのため、業界全体としては儲けが少なくなってくる

 3.しかし、優良な業者にとっては、むしろその状況が追い風となる

 4.この流れは、産廃処理業界のみならず、世の中のほとんどの事業形態に
  波及する可能性がある

 「勝ち組」という言葉は嫌いなんですが、時代の流れを的確に捉えたいもの
ですね!

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