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監視カメラの功罪(その3)

□ 監視カメラの功罪(その3)


 今回は、前置き抜きに結論から先に書きます(笑)。


 監視カメラは、不法投棄対策に有効か?

 答えは

 ほんとんど効果がありません(汗)

 監視カメラが有効なのは、不法投棄をした車両のナンバープレートを撮影
できた時 だけです。


 しかし、ナンバープレートを撮影できたとしても、それは投棄者の検挙に
役立つだけであり、捨てられたゴミが消えてなくなることはありません。

 以下、監視カメラの効用として考えられる利点と、それが真実かどうかを、
マスオさん(仮名)とタラオさん(仮名)の一問一答形式でお話いたします。


マスオ  監視カメラを置いたことで、不法投棄が減ったぞ


タラオ  確かに、あからさまにカメラを置いた場所では、一定の抑止効果が
    期待できるでしょう。
     では、カメラを置いていない場所ではどうでしょう?


マスオ  ・・・・全然減ってない・・・・
     むしろ増えているかも・・・・


タラオ  結局、不法投棄の総量としては、変わっていないわけですね。


マスオ  そうかもしれない・・・・


タラオ  ちょっと考えてみてください。
     不法投棄することを決意した者が、監視カメラを見たことによって
    ジャンバルジャンのように、「私が悪かった」と改心したりするので
    しょうか? 


マスオ  そんなの ありえな〜い
     カメラが置かれていない場所を探し出して、そこに捨てるだろうね
     あぁ 無情!

     でも、監視カメラが置かれていると、人の目を意識するようになる
    ので、やはり不法投棄は減るんじゃないか?


タラオ  これは重要なポイントですね。

     パパが不法投棄者だと仮定します。

     パパは、ゴミを捨てるために、都心から20km離れた山道に着き
    ました。

     あにはからんや!
     不法投棄常習地帯である、その山道には監視カメラが設置されて
    いました!

     でも、パパはゴミを一刻も早く捨てたくて堪りません。


     さぁ そんな切羽詰ったパパは、一体どんな行動にでまちゅか?
     バブー!!


マスオ  お! いきなり イ●ラちゃんまで退化してしまったぞ!? と
     一応、驚いたフリをして・・・

     切羽詰っていたら、トラックのライトを消して、ナンバープレート
    が撮影できないようにして、捨ててしまうかもね。


タラオ  そうなりますよね・・・・
     でも、カメラに監視されながらでも、ゴミを平気で捨てられますか?


マスオ  だから、ライトを消して現地に入っているじゃない。

     それに、監視カメラが置かれるほどの不法投棄常習地帯ということ
    は、捨てられやすい場所ってことだよね。

     そんな場所に露骨に監視カメラを置いたら、
     逆に、「ここは捨てやすい場所ですよ」とアピールしているような
    もんだよね。


タラオ  うーん まさにパラドックス!!
     レ・ミゼラブル・・・・

 今回までの3回の連載記事をまとめると
 監視カメラが有効に機能する条件は、次のとおりです。


1.ナンバープレートを夜間でも鮮明に撮影できるカメラであること
2.不審車両の発見後、3分以内に現場に急行できる態勢にあること


 実のところ、この「2」の条件を満たすことは、現実的には非常に困難です
 人が監視しにくい場所にカメラを設置するわけですから、当然ですね。


 しかし、犯罪者がその気になれば、不法投棄自体は、5分以内に完遂する
ことが可能です。
 だからこそ、3分以内に現場に急行する必要があります。


 実際は、監視ではなく、単に録画するだけのカメラばかりですので


 見てる(撮っている)だけのカメラなのです・・・


 うーん レ・ミゼラブル・・・・

 監視カメラシリーズは、今回で終了です。

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