◆組織崩壊のキーワード ビッグ3(その1)
☆☆☆☆読者の方からいただいたご感想・質問☆☆☆☆
※事前にメールの転載の承諾を得ていますが、御氏名については、イニシャル
とさせていただきます。
> こんにちは。
> 初めてのメール失礼致します。
> 私、栃木県にあります株式会社吉川油脂のN・Tと申します。
> 外食企業や食品工場などからでる廃食用油を回収し、精製してリサイクル
> している小さな会社でございます。
> (お時間ありましたら、こちらhttp://www.y-yushi.com/index.htmlを)
> 私は油を回収の外回りや、社内の管理システム(IT化)を任されている者
> です。
>
> 3ヶ月ほど前よりメルマガを購読させていただいて毎回とても興味深く拝見
> しております。
> 今回のメルマガの内容ではないのですが、バックナンバーを見させてもらった
> 中で「コンプライアンス」の考え方に対するご発言がありまして、それに対し
> てとても感銘を受けましたことをお伝えしたくてメールさせていただきました。
>
> 以下の文です。
> …法治国家である以上、「法令遵守」は当たり前のことなんですよね。
> そこを前提として、
> 企業・組織・団体が継続的に活動し、社会やコミュニティに貢献する仕組み
> を作ることが、「コンプライアンス」なのではないかと思っています。
>
> コンプライアンスを法令順守としか捉えていなかった自分が恥ずかしくなり
> ました。
> 廃食用油のリサイクルという限られた部分ではございますが、尾上様の
> おっしゃるコンプライアンスを実行していけるよう精進していかなくてはと
> 気を引き締め直した次第です。
>
> 「産廃処理業が儲からない時代になる」「淘汰が進んでいく」とも
> おっしゃっておりましたが、このコンプライアンスにどれだけ企業として注力
> していくことが出来るかが、差別化の要因となるのだと分かりました。
> 思考を広げるお言葉を教えていただきまして誠にありがとうございました。
> これからもメルマガ楽しみにしております。
> そして勉強させていただきます。
> 長文失礼いたしました。
>
> **************************
> 株式会社吉川油脂 N・T
> Mail:info@y-yushi.com
> 〒327-0231
> 栃木県佐野市飛駒町3845-3
> Tel:0283-66-2233
> Fax:0283-66-2234
> http://www.y-yushi.com
> **************************
N・T様 メルマガへの丁寧なご感想をありがとうございました!
N・T様に言及していただいた、コンプライアンスに関する記事はコチラです
↓ ↓ ↓ ↓
http://www.office-onoe.com/magazine/2006/01/post_20.html
コンプライアンスのお話を、N・T様ご自身の中で、更に深めていただき、
大変感謝しております。
N・T様がお書きになったとおり、これからの企業活動は、コンプライアンス
抜きには考えられない時代になってきたと思います。
問題は、コンプライアンス=法令遵守 と 安易に訳されるように、
適切な日本語の訳が存在しないため、色々と誤解されているのが
コンプライアンスの現状だと思われます。
しかしながら、N・T様の会社のHPを拝見したところ、株式会社吉川油脂
さんの場合は、上記の嘆かわしい風潮があてはまらないようですね。
なぜなら、既に、コンプライアンス態勢構築に最も適した組織作りをされて
いらっしゃるからです。
具体的にその点を申し上げると、
41名に上る知的障害者の方が、健常者の方と一体になって、第一線で働か
れている点です。
「障害者に優しい会社だ」などと、浅薄な感想を述べたいために、この点に
触れたわけではありません。
なぜ、コンプライアンス態勢構築に適した会社と言えるのかを、限られた
スペースで詳細に述べることはできませんので、今回は結論だけを書きます。
株式会社吉川油脂さんの場合は、多様な個性の持ち主がそれぞれの存在を
認めつつ、組織として一体的に動かれているからです。
そこには、暗黙か明文かは分かりませんが、社員全員が共有するルール・文化
があるはずです。
この状態こそが、まさに、「コンプライアンス態勢が構築できた!」と言える
のではないでしょうか。
吉川油脂さんの場合は、これまでどおり、社内のルールや価値観の共有化を
進めるだけで、かなりの成果が生まれるように思います。
非常に示唆に富んだご感想をいただき、どうもありがとうございました。
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□ 組織崩壊のキーワード ビッグ3(その1)
パロマにトヨタ、etc、etc・・・・
日本を代表するとまで言われた企業にして、起こるべくして起こった不祥事
(トヨタのことね)
ただの欠陥隠しと侮る無かれ
そこには、その企業に潜んでいた膿(うみ)の一部、それもほんの一部が
現れているに過ぎないのです。
欠陥問題を隠した → けしからん!! といった単純な図式で表層だけを
理解すると、問題の本質を見誤ります。
「原因があって結果が生じる」という、ごく単純な因果律だけで、このよう
な不祥事が起こるものでしょうか?
答えは「否」です。
なぜなら、「欠陥隠しはいけない」ということは、大人なら誰でも分かる
ことだからです。
それなのに、なぜ、いい年をした大人が、欠陥隠しという稚拙な犯罪を
してしまうのか。
この点が重要です。
その破滅的な結末に至る経緯はまさに、
「ローマは一日にして成らず」ならぬ
「欠陥隠しは一日にして成らず」なのです。
ある日突然、不祥事が勃発するわけではありません。
この点は非常に重要です!!
ある日突然、不祥事が勃発するわけではありません。
外から見ていると、一夜にして急に不祥事が起こったように見えますが、
99%の不祥事には、何らかの予兆があります。
いえ 「予兆」ではなく、はっきりと「警告」の形で、何かの兆しが現れる
場合も多いでしょう。
私は、廃棄物の不適正処理現場で、色々な当事者と対峙した結果、
その兆しが、一定のパターンに分類できることに気がつきました。
もっとも、そのパターンに本当に気がついたのは、ごく最近のことですが(笑)
次回から、その「予兆」あるいは「警告」がどんな姿で現れるのかについて、
詳しく眺めてみたいと思います。