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悪貨と良貨(その2)

□ 悪貨と良貨(その2)


 前回の続きです。
 本来の用語の意味とは異なりますが、「良貨が悪貨を駆逐する」には、どう
すればよいか?


 廃棄物処理に限定して考えると、「良貨が悪貨を駆逐する」状態とは、


 「不良業者はどんな処理をするのか分からないので、怖すぎて頼めない」


 だから


 「優良業者にお願いしよう!!」という状態ですね。


 では、どうすれば、そのような状態に持っていくことができるでしょうか?


 3つの方法を考えました!


 まず1つ目
 業者自らが、同業他社との絶対的な差別化を図り、優良業者として社会から
認めてもらえるようになる・・・・


 ただ この方法の弱点は、
 廃棄物処理の場合、絶対的な差別化をすることが困難 ということです。


 ゴミ処理を頼む側からしてみれば、
 ゴミが目の前から消えるかどうかが全てであり、

 消し方の違いは大きな問題ではないのです。

(問題をわかり易くするために、あえて法律的な問題を考慮していません)

 次 2つ目
 法律の規制を強化して、不良業者に頼んだ人・会社に罰則を与える!!


 この方法は、ただの案ではなく、国が取ろうとしている方法の一つです。
(委託者への責任追及という意味では、既に動き始めた制度でもあります)


 ただし、この方法の弱点として、
 「不良か、不良でないか なんて 分からん!!」ということがあります。


 この弱点を克服しない限り、無自覚に法律違反を行う、非意図的な犯罪者を
増やすばかりでしょう。

 最後 3つ目
 排出事業者に対し、地道に、気長に、優良な業者を選定する方法を教育し続
ける。


 即効性はゼロですが、「この方法しかない」と私は考えています。


 1つ目と2つ目の方法は、どちらも即効性はありますが、
 一時的な対症療法にしかなりません。


 なぜなら、
 技術の違いのみに「優良性」を求めるなら、技術を高度化するだけで、問題
が解決します。

 また、法律で、無理矢理に優良事業者を作り上げてしまうと、競争原理が
働かなくなり、企業活動の活力自体が失われていきます。


 もちろん、
 「技術を高度化すること」も「不適切な処理委託をした場合の罰則」も、
 なくてはならないものです。


 ただ、それだけでは片手落ちということです。


 次号に続く

「よく分かる!!廃棄物問題」
元産廃Gメンの行政書士による、廃棄物問題の解説。廃棄物処理法の問題点、ゴミ処理技術、信頼できる処理業者の見つけ方、すぐに効果が出るゴミの削減方法、住民運動の留意点、産業廃棄物処理業者の経営改善手法、法改正情報など、ホットなニュースをお知らせしていきます。
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