◆悪貨と良貨(その2)
□ 悪貨と良貨(その2)
前回の続きです。
本来の用語の意味とは異なりますが、「良貨が悪貨を駆逐する」には、どう
すればよいか?
廃棄物処理に限定して考えると、「良貨が悪貨を駆逐する」状態とは、
「不良業者はどんな処理をするのか分からないので、怖すぎて頼めない」
だから
「優良業者にお願いしよう!!」という状態ですね。
では、どうすれば、そのような状態に持っていくことができるでしょうか?
3つの方法を考えました!
まず1つ目
業者自らが、同業他社との絶対的な差別化を図り、優良業者として社会から
認めてもらえるようになる・・・・
ただ この方法の弱点は、
廃棄物処理の場合、絶対的な差別化をすることが困難 ということです。
ゴミ処理を頼む側からしてみれば、
ゴミが目の前から消えるかどうかが全てであり、
消し方の違いは大きな問題ではないのです。
(問題をわかり易くするために、あえて法律的な問題を考慮していません)
次 2つ目
法律の規制を強化して、不良業者に頼んだ人・会社に罰則を与える!!
この方法は、ただの案ではなく、国が取ろうとしている方法の一つです。
(委託者への責任追及という意味では、既に動き始めた制度でもあります)
ただし、この方法の弱点として、
「不良か、不良でないか なんて 分からん!!」ということがあります。
この弱点を克服しない限り、無自覚に法律違反を行う、非意図的な犯罪者を
増やすばかりでしょう。
最後 3つ目
排出事業者に対し、地道に、気長に、優良な業者を選定する方法を教育し続
ける。
即効性はゼロですが、「この方法しかない」と私は考えています。
1つ目と2つ目の方法は、どちらも即効性はありますが、
一時的な対症療法にしかなりません。
なぜなら、
技術の違いのみに「優良性」を求めるなら、技術を高度化するだけで、問題
が解決します。
また、法律で、無理矢理に優良事業者を作り上げてしまうと、競争原理が
働かなくなり、企業活動の活力自体が失われていきます。
もちろん、
「技術を高度化すること」も「不適切な処理委託をした場合の罰則」も、
なくてはならないものです。
ただ、それだけでは片手落ちということです。
次号に続く