メルマガバックナンバー > 悪貨と良貨(その3)

悪貨と良貨(その3)

□ 悪貨と良貨(その3)


 「優良」「優良」と前回までのメルマガで連呼いたしましたが、
 ここで原点に立ち戻り、「優良な」事業者ってのは、どんな事業者なのかを
考えてみます。


 見た目で優良性を判断するのは至難の業ですが、
 何をもって「優良」とするかの定義をするのは簡単です。


 即ち、優良な事業者の特徴とは、


1.適切な処理料金を設定している
2.事業場内の整理整頓が徹底している
3.不法投棄を行わない
4.埋立処分を極力行わない
5.廃棄物の処理フローが、ブラックボックス化していない
6.法規制への必要十分な対応能力を有している


 挙げてみると、色々とあるものですね(笑)。
 まだまだありそうですが、一応上記の6つで、ほぼ対応できていると思いま
す。


 「1」と「2」は比較的分かりやすい指標ですね。


 「1」の「適切な処理料金を設定できる」ということは、法外な価格を設定
しなくても、企業活動を維持できるレベルの財務基盤を有している と言えま
す。


 「2」の「整理整頓」の詳細は、以前このメルマガでもご説明しましたので、
バックナンバーをご参照ください。

 信頼できる処理業者の見分け方
 http://www.office-onoe.com/magazine/2006/07/post_42.html
 http://www.office-onoe.com/magazine/2006/07/post_43.html
 http://www.office-onoe.com/magazine/2006/07/post_44.html


 「3」の「不法投棄を行わない」は、廃棄物の処理を委託する側にしてみれ
ば、最大の関心事でありましょう。
 この項目は、優良事業者を評価する上での最大のチェックポイントでありな
がら、評価の最後の段階になるまで判断できないポイントです。
 ここでは、便宜上、過去の行政処分や違反歴を調べる という意味にしてお
きましょう。 


 「4」「5」「6」の3つは、その会社の情報公開度をチェックする時の
ポイントです。


 どの処理業者も同じに見えるのは、このポイントが明らかになっていないか
らです。


 「4」 最終処分場が逼迫しつつある状況下では、今のうちに、埋立以外の
処分方法を確保しておかなければ、いざという時に身動きが取れません。

 「5」 廃棄物の処理の仕方を、「公開していない」のと「公開できない」
のとでは、大きく意味が異なります。
 処理方法に法的な問題が無いのであれば、秘密にしておく意味もありません。

 「6」 通常、その業者の知識や経験を知るのは、実際に仕事を依頼してか
ら初めて気がつく場合が多いです。
 後悔しないためにも、業者自らが公開している業歴や、法律への知識などを
事前にチェックしておくことが肝要です。

 いかがでしょう?
 こうして6つのポイントにまとめてみると、いかにも簡単そうに見えます。
 実際のところは、この他にも重要なポイントがありますので、あくまでも、
最低限のポイントということになります。


 しかし、最低限のポイントを知らず、「値段の安さ」だけが業者の選定基準
で有り続けたならば・・・・


 いくら業者の数を増やしたところで、「悪貨が良貨を駆逐する」状況に落ち
着いてしまうことでしょう。


 「良貨が悪貨を駆逐する」ためには、積極的に「良貨の価値」を世に知らし
める必要があります。


 だからこそ、「優良性の判断基準」を普及啓発することが重要なのです。


 厳罰化や処理技術の高度化は、普及啓発のための手段の一つにすぎません。


 このメルマガでは、その普及活動を、今後とも「無料で」やり続けます(笑)。

「よく分かる!!廃棄物問題」
元産廃Gメンの行政書士による、廃棄物問題の解説。廃棄物処理法の問題点、ゴミ処理技術、信頼できる処理業者の見つけ方、すぐに効果が出るゴミの削減方法、住民運動の留意点、産業廃棄物処理業者の経営改善手法、法改正情報など、ホットなニュースをお知らせしていきます。
(マガジンID:0000168298)
メールアドレス:  Powered by