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行政書士から見た廃棄物処理最前線レポート

□ 行政書士から見た廃棄物処理最前線レポート


 今回のメルマガは、いつもとは少し趣向を変え、
 私、尾上が日々廃棄物処理業界と接する中で得た実感や社会動向などを、
主に行政書士としての観点からレポートしたいと思います。


(行政)

 最近、色々な行政庁を巡る機会が増えました。産廃処理業界のみならず、
行政の間でも、対応の二極化が進みつつあるのを実感しています。


 具体的に言うと、管内に多数の悪質業者をはびこらせている行政庁ほど、
無意味に申請書の一字一句にこだわる傾向にあるようです。
 中には、こちらが首をひねりたくなるような常識外れの指摘を、居丈高にす
る人もいます(苦笑)。


 私自身が公務員OBですので、
「そんな重箱の隅をつつくような真似よりも、パトロールや立入件数を1件で
も多く増やし、廃棄物の不適正処理を小さい段階で止めてもらいたいものだ」
と思っています。


 現場に行かない結果、不適正処理も減らず、それが更に重箱の隅をつつく行
為に駆り立て、解決されない不適正処理だけが増えていく・・・


 許可申請をしに来た まっとうな会社をいじめるよりも、
 平気で廃棄物を捨てるアウトローを縛り上げるほうが、
 国全体にとって、利益になると思うんですけどねえ〜


 早々に、このような負のスパイラルを断ち切って欲しいものです。

(景気)

 ここ数ヶ月の間に、日本全国から、中間処理業の許可取得の可否に関する
問い合わせが入ってくるようになりました!


 まぁ大半は単なる質問なんですが、1年前と比べてみると、企業の設備投資
熱が活発化しつつあることを感じています。


 設備投資できるだけの余裕が出てきたのは良いことなのですが、
 問題は、「機械を置けば、儲かる」と、安易に事業を考えている方が多い
ことです。
 いまだに、最終処分場や焼却施設での事業参入を考えている人がおられます。


 廃棄物処理業界のことを知り尽くした経営者なら、まだ良いのですが、
 異業種からの参入を試みる人ほど、機械メーカーの甘言を鵜呑みにし、分不
相応な機械を置きたがります。


 このような場合、私からも、同一市場圏の競合業者の存在や、その会社の営
業能力を考慮し、その会社に見合った処理能力を提案してはおりますが、
 相談者が最初に受けた「これなら儲かる!!」というインパクトを払拭する
のは非常に困難です。

(排出事業者のマインド)

 度重なる法改正のお陰か、ここに来てようやく、排出事業者責任が芽生え始
めたように思われます。
 私のところにも、契約の留意点や、委託の注意点に関する問い合わせが増え
ました。


 しかし、「安ければ良い」という、不適正処理の温床たるお粗末な責任意識
しか有していない事業者が、まだまだたくさん存在しているのも事実です。


 よほどの厳罰化がされない限り、こういった無責任な排出事業者は絶滅しな
いでしょう。


 我々にできる事は、適切な責任意識を有している、まともな当事者の存在を
地道に増やすことだけです。
 その理由は、前回のメルマガで詳しく述べました。

 http://www.office-onoe.com/magazine/2006/09/post_50.html


 そのためにも、処理業者のみならず、排出事業者にも、コンプライアンスの
更なる浸透が望まれます。

「よく分かる!!廃棄物問題」
元産廃Gメンの行政書士による、廃棄物問題の解説。廃棄物処理法の問題点、ゴミ処理技術、信頼できる処理業者の見つけ方、すぐに効果が出るゴミの削減方法、住民運動の留意点、産業廃棄物処理業者の経営改善手法、法改正情報など、ホットなニュースをお知らせしていきます。
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