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「原油高」という踏み絵

 いやあ 最近ガソリンが高くなりましたね〜


 5年前なんて、1リットル90円だったような気が・・・・


 5年前から考えると、90円→140円と、50円アップということは
 ガソリン代は、1.5倍になったということですね!!


 私自身、ここ最近車で移動することが増えましたので、非常にイタイです
(泣)。


 私の移動レベルだと、蜂に刺された程度の「ちょっと痛いな」で済みますが、
 運送業の場合だと、車両の数と運行距離が桁違いですので、出血を伴うよう
な非常に大きな痛みです。


 しかしながら、
 燃料代が上がったからといって、すぐ運賃に転嫁できないのが、運送業界の
悩みです。


 え!来月から5%値上げするって?
 あ そう
 おたく以外にも、運送会社は山ほどあるので、もう来なくていいよ。


 こう言われるのが関の山です。
 良い、悪いは別として、これが現実です。


 また、産業廃棄物を運搬する、産業廃棄物収集運搬業などの場合は、運搬す
るモノがモノだけに、「たかがゴミに、余計な金をかけたくない」という意識
が大勢を占めています。


 そのため、産業廃棄物収集運搬業の場合は、通常の運送業よりも、厳しい
状況にあると言えるでしょう。


 原油高がこの調子であと数年も続くようだと、運送業者や産業廃棄物収集運
搬業者の中では、バタバタと倒産が続く可能性があります。


 荷物の運送の場合は、送り先に荷物が届かないと、全て運送業者の責任に
なってしまいます。
 だから、余程のことがない限り、運送の途中で投げ出される可能性は低い
ですね。


 一方、産業廃棄物の運搬の場合は、いつ爆発するか分からない「時限爆弾」
をリレーしているようなものです。


 「何が何でも、爆弾(廃棄物)を次の人に渡してしまおう!」
 「爆弾(廃棄物)を次の人に渡したので、自分はもう安心だ」 などと
 ついつい思ってしまいがちです。
 

 そう思っていたのに・・・


 次に爆弾を渡した人が、爆弾の運搬を嫌がって自分のところに溜め込んでし
まい、そこで爆発してしまった!!


 でも、それが何か?
 爆弾が爆発したのは、自分の会社ではないので、委託先が爆発させたところ
で痛くも痒くもないよ!


 こういう理屈が通用しないのは、このメルマガの読者様のご存知のとおりで
す。


 廃棄物処理の世界では、爆弾(廃棄物)のリレーの最中に、爆弾が爆発して
しまうと、リレー参加者全員がゲームオーバーとなります。


 「爆発したのは次の人のところだから、自分には関係ないよ」と思っている
と・・・・


 爆発の衝撃波が、すぐ自分のところにもやって来ます。
 社会からの指弾や、関係者の逮捕といった目に見える形で。


 
 このように、何がきっかけで不適正処理の「連鎖反応」が起こるか分かりま
せん。


 そういった意味でも、廃棄物の委託先が倒産するリスクを見極めることが
重要になってきています。


 処理料金を払って廃棄物を引き渡したにもかかわらず、委託先業者が倒産し
てしまったので、もう一度廃棄物を引き取らなくてはならなくなった・・・


 これは単なる想像の話ではなく、岩手・青森県境の不法投棄事件で実際に
起こっている話です(背景の事情は多少異なりますが)。


 廃棄物の処理を外部に委託する人・会社にとっては、発生が予想されるリス
クに対して、平常時から備えをしておくことが、これまで以上に重要になって
きています。


 次回に続きます。

「よく分かる!!廃棄物問題」
元産廃Gメンの行政書士による、廃棄物問題の解説。廃棄物処理法の問題点、ゴミ処理技術、信頼できる処理業者の見つけ方、すぐに効果が出るゴミの削減方法、住民運動の留意点、産業廃棄物処理業者の経営改善手法、法改正情報など、ホットなニュースをお知らせしていきます。
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