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「原油高」という踏み絵(その2)


 各省庁の来年度予算の概算要求の総額が明らかにされました。

 NIKKEI NET
 「概算要求7.6%増の85兆7048億円・07年度一般会計予算」

 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060908AT3S0701W08092006.html


 「国の役人は何を考え取るんじゃあ〜」


 この記事を読んで、私はそう思いました。


 このメルマガでは、これ以上この問題の詳細に触れませんが、「安倍晋三」
内閣の成立を見込み、「再チャレンジ」などと、もっともらしいキーワードを
つけて、猫も杓子も予算の確保に血道をあげているようです。


 「再チャレンジ」だけではなく、「環境」も同じように利用されているキー
ワードです。


 中でも、「バイオマス」はもっともホットなキーワードのようで、
 総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省の6省
で、総額10兆1000億円あまりの概算要求をしています!!


 平成18年度の予算額が、8兆4000億円ですので、対前年度比で
1兆7000億円という巨額の増額要求です。


 「役人は予算が取れそうな分野に力を傾注する」ものですので(笑)、
「バイオマス」と名が付けば、国民は納得するだろうと思っているに違いあり
ません。


 地球温暖化の防止や、廃棄物を削減するためにも、必要不可欠な施策である
のは間違いありませんが、「何で急に増額するの?」という懸念を払拭できま
せん。


 また、「バイオマス」を普及させるためには、金をジャブジャブ突っ込めば
良い という単純なお話でもないのです。

 まず、バイオマスとは

 生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、一般的には『再生可能な、
生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの』をバイオマスと呼んでいます。

※バイオマス情報ヘッドクォーター HPより抜粋
 http://www.biomass-hq.jp/index.html


 この説明では、具体的にイメージできないと思いますので、ごく大雑把に
「バイオマスの利活用」について述べさせていただくと、


 それまでは見向きもされず、右から左に廃棄されるだけだった、生物由来の
廃棄物を資源として再利用すること  と言えると思います。


 例えば、木くずをボイラー燃料として再利用することも、バイオマスを活用
していることになります。


 現在、廃棄物処理業界では、木くずを燃料として再利用するのが主流となって
きています。


 木くずを燃料とするだけではなく、更に焼却によって生じた熱を利用して
発電するという  一石三鳥を狙う設備まであります。


 「熱(サーマル)を発電に再利用するんだから、立派なリサイクルだあ〜」
ということで、日本人は、「サーマルリサイクル」という造語をしてしまいま
した!(汗)


 「サーマルリサイクル」が、いかに噴飯モノの造語なのかはまたの機会に
お話するとして、「原油高」が続く中、「バイオマス」や「サーマルリサイク
ル」から抱く、「環境に優しい」というイメージに踊らされる人・企業が続出
しています。


 次回のメルマガでは、
 安易な「バイオマス」や「サーマルリサイクル」が、
 いかに環境に「優しくない」のかをお話していきます。

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元産廃Gメンの行政書士による、廃棄物問題の解説。廃棄物処理法の問題点、ゴミ処理技術、信頼できる処理業者の見つけ方、すぐに効果が出るゴミの削減方法、住民運動の留意点、産業廃棄物処理業者の経営改善手法、法改正情報など、ホットなニュースをお知らせしていきます。
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