◆「原油高」という踏み絵(その2)
各省庁の来年度予算の概算要求の総額が明らかにされました。
NIKKEI NET
「概算要求7.6%増の85兆7048億円・07年度一般会計予算」
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060908AT3S0701W08092006.html
「国の役人は何を考え取るんじゃあ〜」
この記事を読んで、私はそう思いました。
このメルマガでは、これ以上この問題の詳細に触れませんが、「安倍晋三」
内閣の成立を見込み、「再チャレンジ」などと、もっともらしいキーワードを
つけて、猫も杓子も予算の確保に血道をあげているようです。
「再チャレンジ」だけではなく、「環境」も同じように利用されているキー
ワードです。
中でも、「バイオマス」はもっともホットなキーワードのようで、
総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省の6省
で、総額10兆1000億円あまりの概算要求をしています!!
平成18年度の予算額が、8兆4000億円ですので、対前年度比で
1兆7000億円という巨額の増額要求です。
「役人は予算が取れそうな分野に力を傾注する」ものですので(笑)、
「バイオマス」と名が付けば、国民は納得するだろうと思っているに違いあり
ません。
地球温暖化の防止や、廃棄物を削減するためにも、必要不可欠な施策である
のは間違いありませんが、「何で急に増額するの?」という懸念を払拭できま
せん。
また、「バイオマス」を普及させるためには、金をジャブジャブ突っ込めば
良い という単純なお話でもないのです。
まず、バイオマスとは
生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、一般的には『再生可能な、
生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの』をバイオマスと呼んでいます。
※バイオマス情報ヘッドクォーター HPより抜粋
http://www.biomass-hq.jp/index.html
この説明では、具体的にイメージできないと思いますので、ごく大雑把に
「バイオマスの利活用」について述べさせていただくと、
それまでは見向きもされず、右から左に廃棄されるだけだった、生物由来の
廃棄物を資源として再利用すること と言えると思います。
例えば、木くずをボイラー燃料として再利用することも、バイオマスを活用
していることになります。
現在、廃棄物処理業界では、木くずを燃料として再利用するのが主流となって
きています。
木くずを燃料とするだけではなく、更に焼却によって生じた熱を利用して
発電するという 一石三鳥を狙う設備まであります。
「熱(サーマル)を発電に再利用するんだから、立派なリサイクルだあ〜」
ということで、日本人は、「サーマルリサイクル」という造語をしてしまいま
した!(汗)
「サーマルリサイクル」が、いかに噴飯モノの造語なのかはまたの機会に
お話するとして、「原油高」が続く中、「バイオマス」や「サーマルリサイク
ル」から抱く、「環境に優しい」というイメージに踊らされる人・企業が続出
しています。
次回のメルマガでは、
安易な「バイオマス」や「サーマルリサイクル」が、
いかに環境に「優しくない」のかをお話していきます。