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混ぜるな危険!!(その2)

 前回の廃石綿に関するメルマガを出した後、読者の方から「廃石綿の規制は
どこを参照すればいいんでしょうか?」というご質問のメールをいただきまし
た。


 環境省がアスベスト関連の法律関係を下記のサイトにまとめてありますので、
こちらをご参照いただくとよく分かると思います。

 http://www.env.go.jp/air/asbestos/laws_haiki.html


 法律の原文を読むのは大変だと思いますので、サイトの一番下の通知文から
読むと良いかもしれません。

 では、前回のメルマガの続きです。


 最近、原油高の影響もあり、木くずを利用したバイオマス発電などの立地が
急ピッチで進んでいます。


 昔なら焼却するしかなかった木くずを、資源として再利用するということで
すので、方向性自体は正しいものと言えるでしょう。


 厳密に言えば、再利用する際に必要なコストやエネルギーを評価しなくては
なりませんが、今回のメルマガの主旨は別にありますので、評価の詳細には
立ち入らないことにいたします。


 さて
 日本全国で木くずの需要が増えているわけですが、特に中国地方、九州地方
では、需要が急激に増えました。


 その結果、需要家への木くずの提供者である廃棄物処理業者は、処理単価を
引き下げるなどして、懸命に木くずの集荷を図るところも出てきています。


 また、平成12年に制定された「建設リサイクル法」によって、解体木くず
の再利用が義務付けられていますので、今後この流れは一層強まるものと思わ
れます。


 しかしながら、木くずの中には、非常に厄介なものが紛れ込んでいる場合が
あります。


 それが、今回のメルマガの本題の、「CCA処理木材」です。


 CCAとは、
 クロム(Chrome)、銅(Copper)、ヒ素(Arsenic)の頭文字から取ったもので、
 木材の防腐剤として大量に用いられた薬剤のことです。


 このように、CCAには重金属が含まれていますので、処理をする時は慎重
にならなければなりません。


 重金属は、石綿と違って無害化することができません。
 人間にできることは、環境に影響を及ぼさないよう封じ込めることくらいで
す。


 CCA処理木材を焼却してしまうと、重金属が大気中に拡散してしまうこと
になります。
 もちろん、煙を見ても全く分かりませんけどね・・・


 では、焼却せずに埋立処分をした場合はどうでしょうか?


 その場合でも、一定の割合で環境中に溶出してしまうことが確認されていま
す。
 しかも、その溶出する濃度は、法律で規定する判定基準以上という実験結果
まで出ています。


 見かけは同じ木くずなのに、燃やすことも、埋めることもできないモノ・・・


 このような危険な木くずが、リサイクルの名の下に、各地で大量に「処理」
されている現実があります。


 CCA処理木材かどうかを判別する試薬が存在いたしますが、木くずに対し
て、100%完全にチェックをかけることは不可能です。
 それに、他の木くずに混じってしまえば、もはや分別すること自体が不可能
になってしまいます。


 現在の日本ではCCAは使われなくなりましたが、アメリカなどからの輸入
木材には、CCAが使用された木材が大量に含まれています。


 燃やすことも、埋めることもできない廃棄物


 そんな厄介なものは、
 スーパーマンか鉄腕アトムに頼んで、太陽に持っていってもらうしかありま
せん。


 考えてみると、核燃料廃棄物も同じことなのかもしれません(怖)。


 CCA処理木材に関する知見としては、

 ハイウッド株式会社のHPがよくまとめられていると思います。

 http://www.hywood.co.jp/index.html


 また、CCA使用木材の判別方法などは、

 北海道立林産試験場のHPで、詳しく説明されています。

 http://www.fpri.asahikawa.hokkaido.jp/manual/cca/cca.htm

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元産廃Gメンの行政書士による、廃棄物問題の解説。廃棄物処理法の問題点、ゴミ処理技術、信頼できる処理業者の見つけ方、すぐに効果が出るゴミの削減方法、住民運動の留意点、産業廃棄物処理業者の経営改善手法、法改正情報など、ホットなニュースをお知らせしていきます。
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