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EU初の大激震!

 ちょこっと廃棄物関連ニュース(メルマガ本編はこの下から始まります)

 
 経済産業省と国土交通省が12月13日、アスベストを含む建材製品のデータ
ベースを公開しました。


 データベースをダウンロードして、自分のPCでそのまま使用することが
できます。

 http://www.meti.go.jp/policy/jyutaku/AsbDB/20061204AsbDB.html


 前々回のメルマガで取り上げた、石綿含有廃棄物かどうかをチェックするた
めには、不可欠のツールとなりますね。


 前々回のメルマガ
 http://www.office-onoe.com/magazine/2006/12/post_58.html

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□ EU初の大激震!


 12月13日、EU(欧州連合)が、来年6月より「REACH規制」を
導入することを決定しました。


 REACHとは、
 Registration(登録)、 Evaluation(評価)、Authorization(承認)
 Chemicals(化学物質) の頭文字からなる用語です。

 参照:環境goo
 http://eco.goo.ne.jp/word/issue/S00164.html


 具体的には、メーカーや輸入企業に対し、約3万種類の化学物質の安全性を
評価させ、それをEUに登録することを義務付けるものです。


 EUはその評価結果に対し、化学物質の使用制限や、場合によっては製品の
出荷停止という強硬な措置を発動する可能性があるとのこと。


 メーカーにとっては、今年の7月に施行された「RoHS指令」とは比較に
ならない負担増となります。


 「RoHS指令」については、過去このメルマガでも取り上げたことがあり
ます。
 http://www.office-onoe.com/magazine/2006/04/post_31.html


 「RoHS指令」は、鉛や水銀などの6物質の使用を規制するだけでした(
それでも、企業にとっては非常に重い負担となったのですが)が、今度の
REACH規制は、3万種類の化学物質を網羅する広範なものになりますので、
それによって増える負担は推して図るべしです!


 12月14日の日経新聞の記事によると、
 ドイツの大手化学メーカーのBASFは、REACH規制の導入によるコスト
増を、10数年間で約5億5千万ユーロ(約820億円)と試算しているとの
こと


 以下、「大変だ」「大変だ」というコメントが続きます。


 でも、10数年間で820億円なので、1年に換算すると50億円ちょっと
大企業であるBASFにとっては、出せない金額ではないでしょう。


 たしかに、新たに3万種類の化学物質の安全性を全て評価することには、
きわめて大きなコストがかかります。


 しかし、よくよく考えてみると、今までは安全性を確認していない化学物質
をそのまま使い続けていたわけです。


 これを機に、1社の単独での取り組みではなく、産業界全体での安全性に対
する認識が変わっていくことは確実です。


 このように、建前としては非常に素晴らしい理念だと思うのですが、
 問題はどのようにこのREACH規制を徹底していくかです。


 3万種類の化学物質の安全評価・・・・


 考えただけで気が遠くなりそうです。。。


 安全性を評価するメーカーも大変ですが、そのデータを集積するEUの体制
は大丈夫なのでしょうか?
 そんなことを考えてしまいました(笑)。


 それにしても最近、「売れれば良い」という企業の論理がガラガラと崩れ去
る場面をよく目にします。


 「RoHS指令」しかり、今回の「REACH規制」しかり


 社会の価値観が根底からひっくり返る場面においては、その変化の潮流を
的確に読み取ったものだけが生き残れます。


 「コスト増で大変だ〜」と嘆くのではなく
 「消費者にとって『完全に』安全な製品を作るチャンスだ!!」


 このような発想をしてくれる企業が現れることを願っています。

「よく分かる!!廃棄物問題」
元産廃Gメンの行政書士による、廃棄物問題の解説。廃棄物処理法の問題点、ゴミ処理技術、信頼できる処理業者の見つけ方、すぐに効果が出るゴミの削減方法、住民運動の留意点、産業廃棄物処理業者の経営改善手法、法改正情報など、ホットなニュースをお知らせしていきます。
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