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最新版産業廃棄物の発生状況

 平成19年1月22日、環境省から最新の「産業廃棄物の排出及び処理状況
(平成16年度分)」が発表されました。
 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=7928

 
 この発表によると、平成16年度の全国総排出量は4億1,700万トン
 前年の平成15年度より、600万トンほど増加しています。


 総量は増えていますが、実質的には「ほぼ横ばい」と考えても良いでしょう。


 業種別に排出者を見てみると

    平成15年度           平成16年度
 1位 電気・ガス・熱供給・水道業  電気・ガス・熱供給・水道業
 2位 農業                農業
 3位 建設業              建設業

 と、産廃が発生する産業構造には、全く変化がありません。


 また、産廃の各品目ごとの発生量を見てみると

    平成15年度   平成16年度
 1位 汚泥       汚泥
 2位 動物のふん尿  動物のふん尿
 3位 がれき類     がれき類

 となっており、「汚泥」「動物のふん尿」「がれき類」の3品目で、全産廃
の発生量の8割を占める構造も変わっていません。

 環境省の発表によると、再生利用率が前年度より2ポイントアップ
            減量化率は前年度より1ポイントダウン
            最終処分率は前年度より1ポイントダウン

 したそうですが、傾向的にはほぼ横ばいなので、これもほとんど変化なしと
考えて良いでしょう。

 最後に、日本全体での産業廃棄物処理フローをまとめておきます。


        産業廃棄物 417,156千トン
                |
                |
                |
       _______|__________   
      ↓         ↓            ↓
   直接埋立する分 中間処理(焼却・    再生利用される分
             破砕他)される分
  12,607千トン  314,034千トン    90,515千トン
     (3%)      (75%)         (22%)
      |         |
      |         |
      |         ↓
      |     中間処理後に残るもの
      |     136,568千トン     
      |       (33%)
      |         |
      |         |
      |         |−−−→再生利用される分
      |         |    123,347千トン
      |         |      (30%)
      |         ↓
      |       埋め立てる分
      |       13,221千トン
      |        (3%)
      |         |
      |______|
           |
           |
           ↓
      埋め立てられる分の合計
        25,827千トン
         (6%)

 ※各項目は、四捨五入してありますので、収支が合わない場合があります。

 上記のフロー図を書く上で気がついたのですが、平成14年度と平成16年
度(最新)のデータを比較すると、埋め立てられる(最終処分)廃棄物の量が、

   4,000万トン(H14) ⇒ 2,582万トン(H16)  ※H15は、3,044万トン

 と、激減していることが分かります。


 平成15年度以降、最終処分量の減少ペースが明らかに落ちていますが、
 まだ若干の削減は望めるのかもしれません。


 しかしながら、平成17年度からは、「石綿含有廃棄物」の処分問題が発生
していますので、逆に最終処分量が増える可能性もあります。


 まだまだ最終処分場頼みの時代は続くようです。

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