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産業廃棄物処理業者の選別基準


 前回までは理念的なメールマガジンが続きましたので、今回からは、読んで
すぐに役立つ内容を配信します。


 いつまで続くかは分かりませんが(笑)。

 先日、ある顧問先の社長から次のような質問を受けました。


 「先生。信頼できる産廃処理業者はどうやって選べば良いのですか?
  行政の許可を持っているということだけを基準にしても良いのですか?」


 どうでしょうか この質問。
 このメルマガの読者のあなたも一度は突き当たった問題ではないでしょうか?


 一応、「優良事業者評価制度」なるものがあり、一定の基準を満たしている
業者については、「優良と評価できる」として、公開してくれる制度がありま
す。

 (ちょうど1年前に、このメルマガでも取り上げました)
 http://www.office-onoe.com/magazine/2006/03/post_26.html


 ただ、このシステムは、「その業者が情報公開などの一定の基準を満たして
いる」という事実を追認しているだけのものです。


 「優良事業者」に処理委託をしたが、その業者が不法投棄をしたために、
排出事業者責任が問われる事態になった!


 このような可能性があり、その場合でも、「優良」と評価をした行政はなん
の面倒も見てくれません。


 「優良事業者評価制度」を信頼するかどうかは、あくまでも「自己責任」な
のです。


 排出事業者の責任が軽減されるわけではありません。


 現時点では、せいぜい一つの参考情報程度の期待しかできません。
 ただし、5年後までには、「優良(と評価された)事業者」の数が激増する
でしょうから、そうなると、選別の一つの基準としても良いかもしれません。


 「優良事業者評価制度」の話はこれくらいにしておきまして
 一番上の社長さんの質問に対する私の答えはこうでした。


(尾上)
「行政の許可は業者なら持っていて当たり前のものなので、許可の有無だけで
 判断することは適当ではありません。
 それに、行政は、申請者が一定の要件を満たしている場合は、必ず許可を出
 さなければなりません。
 そのため、申請者の資質といった面は一切考慮されていないのです」


(社長)
「つまり、自分の目で判断しなければならないということですね」


(尾上)
「そのとおりです。契約書を交わし、マニフェストを発行して適切に処理を
 委託していたとしても、一度不適切な処理をされてしまうと、委託者の
 責任が問われる時代になりました。」
「自社を守るためにも、ビジネスの相手は慎重に選ばなければなりません」


(社長)
「でもそうなると、何を基準にして業者を選べば良いのか全く分かりません」


(尾上)
「なるほど。
 確かに、選別基準をゼロから考え出すのは非常に難しいと思います。」


(尾上)
「でも、実際はそれほど難しい話ではなく、今からお話しするポイントを
 チェックするだけでも、かなり細かく考えることができるようになりますよ」


(社長)
「え そんないい方法があるのなら、早く教えてください!」


(尾上)
「分かりました。その方法とは・・・・」

(次号に続く)

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