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産業廃棄物処理業者の選別基準(その3)

 


 最初にお詫び


 前回のメルマガでは、
 産業廃棄物処理業者の選別基準として


 第1のチェックポイント
 「保管場所・作業場所が整然と保たれているか」 


 と書きながら、その理由を説明しておりませんでした。


 理由の説明に入る前に、廃棄物の不適正処理の手口を説明したため、それだ
けで全てを説明し終えたつもりになっておりました。


 そのため、今回のメルマガでは、不法行為の手口のおさらいと、第1チェック
ポイントの理由の説明から始めます。

 まず、不法投棄や不法焼却などの不適正処理で使われる常套手段の復習です。
 それを大きく分けると、下記の3つ手段の組み合わせになります。


 1.受け入れる廃棄物の量・種類を、限界以上に増やす
 2.処分コストを、不法投棄や不法焼却などで浮かせる
 3.「1」と「2」を併用する


 ここで改めて
 第1のチェックポイント「保管場所・作業場所が整然と保たれているか」に
戻っていただきたいのですが、


 前回のメルマガでもご説明したとおり、廃棄物を処理する際には、保管場所、
保管方法、保管容量などなど、細かい要件が法律で厳格に定められています。


 そのため、法律の規定どおりに操業をすると、間違えても「場内が廃棄物で
溢れかえる」という状態にはなりません。


 しかし、それでは一定の規模以上に売上を上げることは不可能ですので


        自社の身の丈以上の廃棄物を受け入れ

                ↓

 いくら処理しても、日々流入してくる廃棄物の量に追いつかなくなる・・・


 この状態こそが、廃棄物の不適正処理の第一歩なのです。
 ローマは一日して成らず・・・


 それに、目の前の廃棄物がいつまでたっても減らない状態では、そこで作業
をする人間のモチベーションは著しく低下します。


 そうなると、肝心の処理作業がドンドンおざなりになり、事故の発生率も
上がっていきます。


 そして、更に気持ちが緩み始め、最後は、ただ廃棄物を積み上げるだけの
ゴミ捨て場が出来上がってしまいます。


 「たかが整理整頓と言うなかれ」なのです。


 全産業中ダントツで死亡事故の発生率が高い廃棄物処理業こそ、場内の整理
整頓にこだわるべきなのです。


 この点を軽んじている会社はまったく信用できません。


 まあ 中には施設の点検や搬入先の事故などで、やむをえず大量に保管して
いる場合だってあります。
 そういった明確な理由がある場合は大丈夫です。


 しかし、見学に行く度に、場内の様子が乱雑になっていく場合は
 その会社とのつきあいを検討した方が良いかもしれません。

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元産廃Gメンの行政書士による、廃棄物問題の解説。廃棄物処理法の問題点、ゴミ処理技術、信頼できる処理業者の見つけ方、すぐに効果が出るゴミの削減方法、住民運動の留意点、産業廃棄物処理業者の経営改善手法、法改正情報など、ホットなニュースをお知らせしていきます。
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