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どうする!?ごみ屋敷(その2)


 ごみ屋敷のごみは、「廃棄物」なので、「廃棄物処理法」で規制できるので
はないのか?


 でも、現実はそんなに簡単ではありません・・・


 というところで、前回のメルマガは終わりましたので、今回はその続きです。

 では、なぜ廃棄物処理法での規制は難しいのか


 基本的に、廃棄物処理法は、産業廃棄物を扱う人・会社には厳しく接してい
ます。


 しかし、一般廃棄物の場合は、
「処理責任が市町村にあるんだから、そんなに厳しく規制しなくても大丈夫だ
 ろう」ということで

 産業廃棄物ほどには、厳格に規制されていません。


 もしも、ごみ屋敷のごみが「産業廃棄物」だったら・・・


 不法投棄事件として、警察を動員するような、大事件になります。
 
 
 それはひとえに、廃棄物処理法が産業廃棄物に対して厳格なおかげです。


 産業廃棄物の場合、保管や運搬の方法が細かく定められており、
 産業廃棄物に関わる「すべての当事者」に、その遵守が厳格に義務付けられ
ています。


 しかし、廃棄物処理法は、一般廃棄物の場合には、
 市町村が収集運搬、処分する際の基準しか定めておらず


 ごみを発生させる源の一般家庭には、なんの義務もありません。


 まあ ごみの出し方といった、「箸の上げ下ろし」に近いことを法律で定め
られるのもどうかと思いますが、少なくとも、不法投棄などをしない限り、
「ごみの保管方法が悪いから」といって、逮捕されることはありません。


「あなたは、週に1回しかごみを出さないので、部屋に生ごみの臭いがしみ
ついている!
 それは、同居人にとって迷惑な行為なので、あなたをすぐ逮捕します!!」


 こういうことは有り得ません。


 そのため、趣味?で、ごみを収集している人を、「迷惑だから」という理由
で逮捕したり、ごみの撤去を強制することはできないわけです。


 法律はなんの助けにもならない・・・
 でも、ごみはごみなので、臭い!
 いったいどうすればいいんだ!!


 地域コミュニティがうまく機能していないところでは、一度このような問題
が起こってしまうと、解決することが非常に難しくなります。


 確実なのは、法律も役所も頼りにならないこと・・・


 論理だけではごみの集積を止めることは難しいと思います。


 また、ごみを集めている人は、周囲から受入れられないという疎外感が募り、
そのことで、ごみの大量集積という、反社会的な行動に逃げ込んでいる場合も
あります。
 法律や論理で解決しにくい問題です。


 現在はこうした時代だからこそ
 地域コミュニティの価値を見直す時期なのかもしれません。

「よく分かる!!廃棄物問題」
元産廃Gメンの行政書士による、廃棄物問題の解説。廃棄物処理法の問題点、ゴミ処理技術、信頼できる処理業者の見つけ方、すぐに効果が出るゴミの削減方法、住民運動の留意点、産業廃棄物処理業者の経営改善手法、法改正情報など、ホットなニュースをお知らせしていきます。
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