内部監査はここを見る!(管理面)

vol.142 内部監査はここを見る!(管理面)

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09/10/30号

 
 前回のメルマガでは、ISO14001の内部監査の際に、廃棄物保管場所
などの具体的なチェックポイントを解説しました。


 今回は、委託契約書やマニフェストなどの、管理面で重要なポイントを解説
します。


 まずは委託契約書から

1.委託契約を結んだ上で、産業廃棄物の処理委託をしているかどうか

2.委託先の処理業者の許可は現在でも有効か
 許可期限が満了している許可証をそのまま委託契約書に添付している事例が
 よく見受けられます。

3.契約書に「単価」「数量」が記載されているか
 月ごとに単価が変動するような場合は、「単価」の欄に「別途覚書で決定す
 る」などと記載し、契約書と覚書を一緒に保存しておきましょう。

4.委託する産業廃棄物の種類は適法か
 委託先業者の許可証をよく確認し、許可を持っていない産業廃棄物を委託し
 ないよう注意します。

5.中間処理の委託の場合は、中間処理後の産業廃棄物の処分場所に注意
 木くずなどの管理型品目の中間処理を委託しているのに、中間処理後の最終
 処分場所として「安定型処分場」が記載されていることがよくあります。


 次はマニフェストについて

1.マニフェストがキチンと保存されているかどうか
 マニフェストが「返送されてきたとき」から5年間は保存しなくてはなりま
 せん。

2.委託契約書のとおりに、マニフェストが運用されているかどうか

3.マニフェストの数量欄に記載はあるかどうか
 産業廃棄物の引き渡し時点に正確な重量がわからない場合でも、おおよその
 目安、たとえば8立方メートルコンテナ分などの、数量を把握できる記載を
 しておくことが重要です。委託先処理業者で検量をしている場合は、返送さ
 れてくるマニフェストに、正確な重量を記載してもらいましょう。

4.1枚のマニフェストで複数の産業廃棄物の処理を委託していないか
 分離が著しく困難な混合廃棄物でない限り、産業廃棄物の各種類ごとに1枚
 のマニフェストを発行する必要があります。

5.マニフェスト発行後90日以内に、運搬終了報告が返ってきているか
 特別管理産業廃棄物の場合は、60日以内に返送されていなければなりませ
 ん

6.マニフェスト発行後180日以内に、最終処分終了報告が返ってきているか
 「5」と「6」が満たせていない場合は、排出事業者が委託先業者に確認を
 し、適切な措置を講じた上で、都道府県知事に報告する必要があります。



 いかがでしょうか。

 項目にすると11個ほどの着眼点になりますが、これらをチェックシートな
どに落とし込むと、内部監査員の力量のいかんを問わず、誰でも同じレベルで
審査ができるようになります。


 ただ、これらのポイントは、あくまでも内部監査のための最低限の基準であ
り、実務においては、委託先処理業者との円滑なコミュニケーションなど、
色々と留意しなくてはいけないポイントが山ほどあります。


 上述したポイントは、廃棄物処理法で求められている最低限の基準なのです
が、すべてを完璧にこなせている企業はほとんど無いと思います。


 しっかりやっているつもりでも、長年運用するうちにチェックがおざなりに
なったり、最初から間違った運用をし続けていることが多いものです。


 内部監査は、PDCAサイクルを回し続けるためのものであり、試験問題の
ように間違いを指摘するだけで終わってしまっては意味がありません。


 内部監査をきっかけにして、企業全体で、より良い廃棄物管理に目覚めてい
ただければと思います。