保管場所届出を怠ると懲役刑!?

vol.155 保管場所届出を怠ると懲役刑!?

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10/03/26号

 

 前回のメルマガでは、法改正が予定されている、建設系廃棄物の処理責任に
ついて解説しました。


 今回は、廃棄物保管場所の届出義務について解説します。


※廃棄物処理法改正案は、下記のURLで全文を参照できます。
 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=12222


 2010年の廃棄物処理法改正は、不法投棄対策が主眼であり、そのための
方策が色々と盛り込まれています。


 前回のメルマガで解説した建設廃棄物は、不法投棄された廃棄物の大半を占
めるものであり、建設廃棄物の処理責任者を法律上で明確にしたことには、大
いに意義があります。


 その他、廃棄物の大量保管の温床となっていた「一時保管」や「仮置き」に
対しても、メスが入れられることになります。


 それが、「廃棄物保管場所の事前届出義務」です。


 これがどんな義務であるかというと


 廃棄物の発生場所以「外」で廃棄物を保管する場合には、「あらかじめ」都
道府県知事にその旨を届けなければならなくなります。


 メルマガのタイトルにも書いたとおり、「あらかじめ」届出ることを怠った
場合には、「6月以下の懲役、または50万円以下の罰金」という非常に重い
罰則が予定されています。


 届出という比較的忘れやすい義務に対し、懲役というペナルティはいかにも
重い感じがいたします。


 裏を返せば、環境省は、それだけ「一時保管」の害悪を重要視しているとも
言えます。



 まだ様式などは公開されていませんが、保管場所や保管する廃棄物の量、保
管期間などを届けることになると思われます。


 注意が必要なのは、届出の対象となる保管場所が、
 産業廃棄物の発生場所以「外」で保管をする場合だけであり、
 製造現場などの同一敷地で廃棄物を保管する場合は、従来通り保管場所を届
ける必要はありません。


 ただ、地方自治体によっては、今回の法律改正に先立ち、地方独自の条例な
どで廃棄物の保管場所の届出を既に義務付けているところがあります。


 その中には、廃棄物の発生場所と同一敷地内の保管であっても、届出を義務
付けている自治体が存在しています。


 株式会社日報アイ・ビーの調査によると、船橋市、石川県、金沢市、名古屋
市、豊田市、三重県、和歌山県、大分県は、事業所内の保管場所も届出の対象
となっています。

※出典 株式会社日報アイ・ビー発行の 週刊循環経済新聞2月1日号
    http://www.nippo.co.jp/



 このような新しい実務は、法律が変わった当初は比較的真剣に取組まれるも
のですが、人事異動を重ね、知識が無い人が担当になると、届出を忘れてしま
いがちになります。


 「義務を怠れば懲役刑」という大変大きなリスクの発生要因となる実務です
ので、組織内で情報の更新と共有を、定期的に繰り返し行うことが大切です。