Q5:産業廃棄物処分業って何?
A5:
「処分」とは、最終的に廃棄物を自然界に捨てる「最終処分」と、「最終処分」の前段階で、廃棄物を物理的、化学的、生物学的な手段により、そのまま捨てても害のないものに変化させる「中間処理」の両方を指します。
そのため「産業廃棄物処分業」とは、「産業廃棄物中間処理業」と「産業廃棄物最終処分業」の2種類に分けることができます。しかし、廃棄物処理法に、「中間処理業」とか「最終処分業」という言葉がある訳ではありません。
最終処分業について |
ではまず、「最終処分業」から説明します。
「最終処分業」は、読んで字のごとく、「産業廃棄物」の最終的な処理を担います。「産業廃棄物を最終処分する」とは、「産業廃棄物を人間の目から隠して、無くなったことにする」ということです。
当然、産業廃棄物ですので、単純に土に埋めるだけでは、将来的にどんな環境汚染を引き起こすか分かりません。
そのため廃棄物処理法は、最終処分の基準を定めています。
具体的には、「がれき類」を土中に埋めたり(安定型最終処分場)、
「燃え殻」等を、遮水シートと排水処理施設を備えた「管理型最終処分場」に埋めたり、
有害物質を含む産業廃棄物を「遮断型最終処分場」で永久保管したりします。2003年4月現在で、国内全ての最終処分場を合計した残余年数は4.5年となっており、最終処分場の不足が課題となっています。
最終処分業の
(メリット)
(デメリット)
埋立処分の基準 (全ての産業廃棄物に共通の基準のみを抜粋)
1.産業廃棄物が飛散し、流出しないようにすること
2.悪臭、騒音又は振動によって、生活環境の保全上、支障が生じないように必要な措置を講じること
3.埋立処分のための施設を設置する場合には、生活環境の保全上、支障を生じないように必要な措置を講じること
4.埋立地には、ねずみ、蚊、はえ、その他の害虫が発生しないようにすること
5.埋立処分を終了する場合には、埋立地の表面を土砂で覆うこと
6.安定型産業廃棄物以外の産業廃棄物は、地中にある空間を利用して、埋立処分をしてはならない
7.安定型最終処分場では、安定型産業廃棄物以外の廃棄物が混入・付着するおそれのないよう、必要な措置を講じること
8.周囲に囲いが設けられ、かつ産業廃棄物の処分の場所(有害産業廃棄物の場合はその旨)であることの、表示がされている場所で行うこと
9. 埋立地からの浸出液による公共の水域・地下水の汚染を防止するのに必要な措置を講じること
中間処理業について |
次は、「中間処理業」です。
「中間処理業」は、産業廃棄物を最終処分しやすくするために、産業廃棄物の容量を小さくしたり(減容、焼却、破砕、圧縮)、最終処分しても自然環境を汚染しないよう無害化(焼却、中和)を担っています。「中間処理」ができなければ、「最終処分場」がすぐ満杯となり、産業廃棄物の持って行く先が無くなります。
「中間処理」こそが、産業廃棄物処理の「要」とも言えます。(産業廃棄物処理を一番下で支えているのは、「最終処分場」ですが)ここで注意が必要なのは、「中間処理」とは、他人から報酬を得て、「産業廃棄物」に加工を加え、「産業廃棄物」の外形を変化させる、全ての行為を指します。
そのため、大規模な「産業廃棄物処理施設」で処理しなくとも、報酬をもらって処理する以上、人力で処理するのでなければ、全て「中間処理」又は「最終処分」になります。具体的な「中間処理業」の許可の取得方法や、「中間処理施設」の内容については、別のページで説明します。
中間処理業の
(メリット)
(デメリット)
中間処理の基準
1.産業廃棄物が飛散し、流出しないようにすること
2.悪臭、騒音又は振動によって、生活環境の保全上、支障が生じないように必要な措置を講じること
3.中間処理のための施設を設置する場合には、生活環境の保全上、支障を生じないように必要な措置を講じること
4.産業廃棄物を焼却する場合は、環境省令で定める焼却設備を用いて、適切に焼却すること
5.産業廃棄物の保管を行う場合は、産業廃棄物の保管基準に準じて行うこと
6.産業廃棄物の保管を行う場合は、産業廃棄物処理施設において処分を行うために、やむを得ないと認められる期間を超えて保管しないこと
7.産業廃棄物処理施設での保管容量は、通常の操業状態で、処理能力の14日分(再利用のコンクリート片は28日分、アスファルト片は70日分)を超えないようにすること