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産業廃棄物収集運搬業とは

Q1:産業廃棄物処理業って何?

A1:

他人からお金をもらって、他人の産業廃棄物を運んだり(収集運搬業)、そのままでは有害な産業廃棄物を、無害化したり(中間処理業、最終処分業)する資格のことです。

「産業廃棄物(産廃)とは」でご説明しましたように、産業廃棄物処理業の資格が無い人が、他人の産業廃棄物を処理することは、犯罪となりますので、産業廃棄物処理業の許可を持っているということは、処理能力、業務体制、事業の継続性などを行政が認めてくれたことになります。公共的な機関を除いて、独占的に産業廃棄物を処理する権限を認められた資格とも言えます。

廃棄物処理法では、産業廃棄物処理業とは、次の2種類の事業であるとしています。

1.産業廃棄物収集運搬業
2.産業廃棄物処分業      この2つを総称して、「産業廃棄物処理業」と言っている訳です。

なお、「収集運搬業」と「処分業」のそれぞれに、
「産業廃棄物収集運搬業」と「特別管理産業廃棄物収集運搬業」、
「産業廃棄物処分業」と「特別管理産業廃棄物処分業」の2種類があります。

「産業廃棄物収集運搬業」の許可では、「産業廃棄物」しか収集運搬できず、「特別管理産業廃棄物」の運搬はできません。
逆に、「特別管理産業廃棄物収集運搬業」の許可では、「産業廃棄物」の収集運搬ができませんので、ご注意ください。
産業廃棄物処理業の許可は、5年間有効です。
引き続き事業をしたい場合は、許可期限満了日の約2〜3ヶ月前に、「更新許可」申請をすると良いでしょう。


Q2:具体的に産業廃棄物収集運搬業って何?

A2:

非常に分かり易く言うと、「産業廃棄物の運送業」です。産業廃棄物の処理を業者に委託したい人と、産業廃棄物の処理を受託する業者の間で、お金をもらって他人の産業廃棄物を運搬する仕事です。
なお、自分の排出した産業廃棄物のみを運搬する場合には、産業廃棄物収集運搬業の許可は必要ありません。

ただし、「産業廃棄物の運送業」といっても、「産業廃棄物収集運搬業」の場合には、青ナンバーの取得は必要ありません。

さて、「産業廃棄物収集運搬業」は、運ぶものが「産業廃棄物」ですので、当然、普通の運送業とは異なる、扱いの厳格な基準が定められています。

収集運搬の基準
1.産業廃棄物が飛散し、流出しないようにすること
2.悪臭、騒音又は振動によって、生活環境の保全上、支障が生じないように必要な措置を講じること
3.収集運搬のための施設を設置する場合には、生活環境の保全上、支障を生じないように必要な措置を講じること
4.運搬車、運搬容器及び運搬用パイプラインは、産業廃棄物が飛散、流出し、悪臭が漏れる恐れのないこと
5.運搬車の車体の外側に、産業廃棄物の収集運搬車である旨を表示すること
6.運搬車に、「産業廃棄物収集運搬業」許可証の写しの他、所定の書類を備えおくこと

産業廃棄物の積替えを行う場合の基準
1.周囲に囲いが設けられ、産業廃棄物の積替え場所であることの表示がされている場所で行うこと
2.積替えの場所から、産業廃棄物が流出、放出、地下浸透、悪臭が発散しないように必要な措置を講じること
3.積替えの場所には、ねずみ、蚊、はえ、その他の害虫が発生しないようにすること

産業廃棄物の保管を行う場合の基準
1.周囲に囲いが設けられていること
2.見やすい箇所に、産業廃棄物の保管である旨の掲示板を設けること
3.保管の場所から、産業廃棄物が流出、放出、地下浸透、悪臭が発散しないように必要な措置を講じること
4.保管の場所には、ねずみ、蚊、はえ、その他の害虫が発生しないようにすること
5.保管する産業廃棄物の数量が、環境省令で定める場合を除き、保管場所における一日当たりの平均的な搬出量の7倍以下であること


要点はこうなります。

1.産業廃棄物は、飛び散ったり、流れ出したりしないよう、キチンと保管しましょう。
2.産業廃棄物を運ぶ時は、こぼれ落ちたりしないよう、安全に運びましょう。
3.産業廃棄物を保管する時は、決められた容量以上を保管してはいけません。
4.産業廃棄物の保管場所は、清潔にしておきましょう。


もっとも重要なのはこの4点だけなので、これだけはよく覚えておいてください。

あと、平成17年4月1日より、産業廃棄物の収集運搬車輌に、
「産業廃棄物収集運搬車である旨の表示」「特定の書類の備え置き」が新たに義務付けられました。

「特別管理産業廃棄物の収集運搬基準」も、おおむね上記の「産業廃棄物の収集運搬基準」と同様です。詳細は、資料 にまとめてありますので、そちらもご参照ください。


「産業廃棄物収集運搬業」は、産業廃棄物を「積み込む場所(排出事業者の所在地)」と「降ろす場所(処分委託先)」の、両方の行政の許可が必要となります。詳しくは、「産業廃棄物(産廃)に関する許可の取り方」でご説明します。

 

今すぐ、産業廃棄物処理業の許可の取り方をお知りになりたい方は、
こちらをクリックしてください  「産業廃棄物(産廃)に関する許可の取り方」

 


Q3:上の説明にある、「積替え」とか「保管」って何?

A3:

説明が遅くなりましたが、「産業廃棄物収集運搬業」には、「積替え・保管を含む」場合と「積替え・保管を含まない」場合の2種類があります。まず、「積替え・保管を含まない」場合について説明します。

「積替え・保管を含まない」産業廃棄物収集運搬業とは、排出事業者の所から、中間処理施設又は最終処分場までの間は、産業廃棄物を一度も下ろすことなく、直行しなければならない許可です(ルートを周りながら、積み増していくことは可)。

例えば、4tトラックから10tトラックに積みなおしたり(積替え)、保管場所で一定量まで産業廃棄物を保管しておくといったことはできない許可です。
一時的に自社のガレージ等で、運搬車輌を朝まで駐車することは問題ありません。

「積替え・保管を含む」産業廃棄物収集運搬業の場合は、上記の積替えや保管をすることができる許可です。
積替えや保管を行うことにより、効率的な配送ができるようになりますので、一定の敷地や車輌を用意できる場合は、是非、「積替え・保管を含む」産業廃棄物収集運搬業の許可を取ることをお薦めします。

最初は、「積替え・保管を含まない」産業廃棄物収集運搬業で事業を始め、一定の準備ができた段階で、「積替え・保管を含む」産業廃棄物収集運搬業の許可に変える(変更許可申請)ことも可能です。

 

「産業廃棄物収集運搬業」の内容について、具体的にイメージできるようになりましたでしょうか?
「産業廃棄物収集運搬業」の説明は以上で一度終了し、次は「産業廃棄物処分業」の内容についてご説明します。
なお、許可の取り方については、別途「産業廃棄物(産廃)に関する許可の取り方」で詳しくご説明しておりますので、そちらをご参照ください。

 

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Q4:産業廃棄物収集運搬業って儲かるの?

A4:

(メリット)

  1. 簡単に始めることができる
      運搬する車輌と、運転手がいればすぐに事業を始められる
  2. 副業としても有効
      空荷で車輌を走らせなくてもすむ
  3. 許可を取ることは、「産業廃棄物処理業」の中で最も簡単

(デメリット)

  1. 価格競争力が低い
      同業他社がダンピングをしていることが多い
      極度の値下げは、不法投棄につながりかねないので、慎むべき
  2. 効率的に収集運搬しないと、コストが高くなる
       できるだけ一度に運搬する方が、コストがかからない
  3. 許可を取らなければならない役所の数が多くなる

 

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元産廃Gメンの行政書士による、廃棄物問題の解説。廃棄物処理法の問題点、ゴミ処理技術、信頼できる処理業者の見つけ方、産業廃棄物処理業者の経営改善手法、法改正情報など、ホットなニュースをお知らせしています。
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