内部監査はここを見る!(現場面)

vol.141 内部監査はここを見る!(現場面)

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09/10/23号

 
 当メルマガの読者の方は、企業の中核として重要な働きをしている世代の方
が多いのですが、ISO14001の内部監査を担当している人も多いのでは
ないでしょうか?


 ISOの監査項目は環境関連の多岐にわたりますが、その中でも、廃棄物関
連の監査時に、「審査項目は示されているけれども、なぜこの項目を審査する
のかわからない」という悩みをお持ちの方が多いものと思います。


 今回のメルマガでは、内部監査をより効果的に行うためのポイントを解説し
たいと思います。


 まず、内部監査を行う目的について考えてみましょう。


 それは、会社にふりかかるかもしれないリスクを予め把握しておき、それに
当てはまらないよう常にチェックをし続けるということにあります。


 では、廃棄物管理面で考えられるリスクとはなんでしょうか?


 廃棄物管理面で考えられるリスクとしては、「廃棄物処理法違反(法的リス
ク)」と「廃棄物の飛散・流出などの環境リスク」の2種類があります。


 厳密には、廃棄物の飛散・流出は、廃棄物処理法違反にもなるリスクですが
今回は、「現場(廃棄物の保管場所)」と「管理(契約書やマニフェスト)」
と、大別しておきます。


 今回のメルマガでは、現場面の監査ポイントを解説します。


 上述しましたように、廃棄物の保管方法は、廃棄物処理法によって定められ
ています。

 産業廃棄物の保管基準


 条文を読むと難しく感じるかもしれませんが、根本的に重要なポイントは
3つしかありません。


(ポイント1)
 産業廃棄物の保管場所は周囲と明確に分け、囲いを作ること
 囲いと言っても、保管場所の周囲にフェンスを張り巡らせる必要はありませ
ん。コンテナボックスを設置し、その中で廃棄物を保管するようにすれば、
さらに周囲を囲う必要はありません。コンテナボックスが囲いになるからです。


(ポイント2)
 保管場所であることを明示する掲示板を、見やすい場所に掲示すること
 意外と、この掲示板の掲示を忘れている企業が多いものです。
 管理者の氏名は「山田太郎」のようなフルネームではなく、「工務課長」と
いった宛て職でも結構です。


(ポイント3)
 「廃油」や「廃酸」などの地下浸透するかもしれない廃棄物を保管する場合
は、底を不透水性の素材で覆った場所で保管すること。
 このような廃棄物の場合は、雨や太陽に直接さらされる場所に保管しないこ
とも重要です。



 わずか3つのポイントですが、実際にはこの3点がすべてできている企業は
少ないものです。


 内部監査においては、上記の3項目をまずは注視し、そのときに気づいた点
をさらに精査していくと、効率的な監査ができます。


 どれも重要なポイントですので、すべて完璧に満たせるよう、PDCAサイ
クルを回してくださいね。